
法律に詳しい専門家に一方的に頼るだけでなく、どういった法律があるのか簡単に知っておくだけでも、相談した時に話を理解するのに役立ちますし、万が一、相手が間違った情報を提示してきた場合でも、安易に騙されずにすみます。また多くの裁判例を知り、自分のケースと比較し参考にしてみるとよいでしょう。
男女雇用機会均等法の改正により、事業者(企業)には、職場内で労働者が日頃から性的に不愉快に感じていることに対し、対策・防止策をとるなどの配慮を行う義務が生まれました。また厚生労働省告示において、職場でのセクハラを防止するために、雇用管理上、事業主が講ずべき措置についての指針が定められています。この指針は、企業の規模や職場の状況を問わず、必ず講じなければなりません。
- 男女雇用機会均等法第21条
- 事業主は、職場において行われる性的な言動に対する女性労働者の対応により、その女性労働者が労働条件に不利益を受けたり、就業環境がその性的な言動により害されることのないよう雇用管理上必要な配慮をしなければならない。
- 厚生労働省告示第615号
- ( 1) 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発
( 2) 相談(苦情含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
( 3) 事後の迅速かつ適切な対応
( 4) ( 1)から( 3 )までの措置とあわせて講ずべき措置
- 契約上発生した、しなければいけない事を怠った事によって、損害が生じた場合はその損害を賠償しなければならない。
- ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
- 数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする。
- 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
- 他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる。
現在、「セクハラ」「パワハラ」という表現を用い、犯罪としてこれを直接禁じる法律はありません。しかし、そうなり得るそれぞれの行為の中で悪質なものについては、下記にあるような刑法に基づいて刑事処罰を与えることも可能です。
- 人の身体を傷害した者は10年以上の懲役、又は30万円以下の罰金もしくは科料に処す。 (精神的苦痛による体調の悪化に対しても適用)
- 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
- 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役、もしくは禁錮、又は50万円以下の罰金に処す。
- 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
