セクハラの裁判例

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仙台セクハラ(ピアノ教師)事件

《仙台地裁 1999年 7月 29日》

概要

被告 ピアノ教師
請求額 1,100万円(慰謝料 1,000万円、弁護士費用 100万円)
原告はピアノ練習者で0歳の頃から被告にピアノの個人レッスンを受け、また、原告が大学在学中は、その講師としてもピアノの指導を受けてきた。ところが、被告教師は、原告が中学3年の時にキスをしたことをはじめとして、高校入学後は下着の中に手を入れる、性器をもてあそぶなどのわいせつ行為に及び、大学入学後には、ついに性交渉を持たせた。その後も原告は、大学を卒業するまで、複数回同様の関係を持たされた。これにより、原告は甚大な精神的損害を被るとともに、現在外傷後ストレス障害及び解離性障害を発症しており、ピアニストになる道も、事実上閉ざされたと感じている。

判決

原告勝訴 900万円(慰謝料800万円、弁護士費用100万円)を認容。
被告の反論(1)
「原告主張の性的行為は合意の上のことである。」
原告が被告に抱いていた尊敬及び畏怖の念から常に被告が原告に指導ないし指示をし、原告はこれに従わざるを得ないとの関係にあったもので、原告が明示的な拒絶の姿勢を示さなかったからといって原告の同意があったということはできない等として、敗訴。

被告の反論(2)
「仮に不法行為が成立するとしても、本訴提起の時から3年以前の部分については消滅時効が成立している。」
原告の不眠、摂食障害、めまいといった症状や行動が、被告の行為を原因として形成されてきたことを原告が明確に受け止めたのは、医師の診察を受け始めた時であるとして、敗訴。

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